Program精神科専門研修プログラム
プログラム責任者の挨拶 |
はじめまして、プログラム責任者の青木勉です。 ● クロザピン、m-ECTと包括型地域生活支援(ACT)、専門精神療法やリハビリテーションにより、重症精神障害に関する治療とケアの研修 ● 精神科救急からリハビリテーションまで一貫した研修 地域精神医療のメッカ、旭で研修しませんか。アウトリーチ、児童精神、リエゾン、重症精神疾患の診断と治療、精神科救急等に関心のある専攻医を募集しています。 |
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募集人員 | 3名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プログラム | 総合病院国保旭中央病院連携施設 精神科専門医研修プログラム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
研修期間 | 3年間 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
応募締め切り | 日本専門医機構が定めるスケジュールに従う。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
応募書類 |
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試験方法 | 書類選考と面接 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
試験日 | 応募者の予定に合わせ決定 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
応募資格 | 医師免許取得後、2年以上の臨床経験を有する医師 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
待遇 | 各研修施設の待遇に準ずる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
施設見学について | 相談の上可能 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
連絡先 | 病院代表 0479-63-8111⇒医局 臨床教育担当 高木(ikyoku@hospital-asahi.jp) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
神経精神科の紹介・特徴 |
神経精神科は、我が国における地域精神医療の先駆的役割(多職種チーム医療、精神科救急、児童精神科、地域移行、ACT等アウトリーチサービス、災害精神医療、クロザピンやm-ECT等の治療抵抗性疾患の治療、リエゾンチームによる一般身体疾患へのメンタルヘルスサービス、認知症疾患医療センター、精神科リハビリテーション)を担ってきており、地域型精神医療ー旭モデルを構築しています。これらのサービスにより、重症者の地域移行、大幅な平均在院日数の減少、事例の救急化と統合失調症の再発入院の抑止が可能となり、世界標準の地域精神医療を展開しています。 また、このプログラムでは地域精神医療を活発に展開している精神科病院と連携をとり、精神科の幅広い領域での研修を行います。木村病院では、急性期の精神疾患の治療を行うとともに、デイケア等の精神科リハビリテーションを体験し、慢性の精神疾患患者への総合的な治療を習得します。多職種との協働の中で、地域移行を積極的に行い、リハビリテーション、訪問看護、グループホーム等の幅広い治療ケアを習得します。海上寮療養所では、付属の様々な福祉施設と連携をとり、障害者が地域で暮らしていくためのさまざまな援助を行うとともに”障害者の権利回復”という真のリハビリテーションを習得します。藤田病院では、精神科かかりつけ医としてプライマリケアにおける精神疾患や司法精神医学の研修を行います。 旭中央病院の中心部遠影 「こころの医療センター」 |
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カリキュラム例 |
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日本における先進的地域精神保健福祉医療モデル-THE ASAHI MODELを実践しています。
1.特徴
- こころの医療センターCommunity Mental Health TeamによるACT-ASAHIや、精神科特化型訪問看護ステーション旭こころとくらしのケアセンターによる訪問等、アウトリーチサービスを充実させ、地域の精神保健福祉医療機関と積極的に連携する事により、地域サービスを充実、地域移行を推進し、入院病床数を約1/5に削減し、入院に頼らない精神医療サービスを提供しています。
- 児童精神科を併設し、こどものための外来・入院ユニットを備え、こどもからお年寄りまで一貫した精神医療サービスを提供しています。
- アメニティーに十分配慮された救急入院料病棟50床を有し、一次から三次まで対応する24時間365日の精神科救急サービスを提供しています。
- 精神科デイケアセンター、作業療法センターを併設し、救急・急性期から積極的なリハビリテーションを行なっています。
- 救急急性期から在宅支援、身体疾患を患っている患者様のためのリエゾン等、全方位における医師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士等による多職種チームが有機的に機能し、こころの病で苦しむ患者様を支えます。
- クロザピンや、修正型電気けいれん療法、各種の精神療法により、治療抵抗性の精神疾患に対する治療を積極的に行なっています。
- 国際協力を積極的に推進し、カナダ・バンクーバー、イタリア、カンボジアと交流しています。
2.研修について(修了者の経験)
私は精神科の地域医療に携わりたいと大学の頃から考えていました。地域医療を行うためには精神科以外の疾患の初期対応も学びたいという思いから私は当院で初期研修、精神科の後期研修を行いました。その後も神経精神科に勤務しています。
まず初期研修では、当院は東総地区の救急基幹病院としてあらゆる疾患の患者さんが来られる病院であり、ER型の救急外来も行っていることもあり、当科の疾患のみならず、様々な疾患の初期対応を経験し、習得することができました。後期研修中も内科外来の研修を行わせていただいたり、救急外来での全科当直を継続できたことで、初期研修で習得した精神科以外の視点での患者さんの評価も継続してできたことは私自身とても良かったと感じています。
後期研修では当科の特徴である多職種のスタッフに教えて頂きながら、生物学的な視点だけではなく、心理・社会的な側面からの治療についても学ぶことができました。特に当科では医師のみの薬理学的な勉強会に加え、多職種での抄読会や、症例検討を週に何度も行っており、一人一人の患者さん、利用者さんを多面的に評価する良い習慣が付きました。子どもから高齢者まで様々な疾患の患者さんを経験し、総合病院ならではのリエゾンも経験することができ、本当に幅広く学ぶことができたと考えています。週に半日ある研究日には他院で地域精神保健について学びました。このことで、最新治療についても勉強できました。非常に充実した研修でした。
その他、当院では海外研修を積極的に取り入れており、私はカナダのバンクーバーで精神保健システムの視察、研修、イタリアの精神保健システムの視察と3度の海外研修に行かせていただきました。世界標準の精神保健に触れ、利用者さんが長期入院は極力しないで、地域で生き生きと暮らすことを支えるためのエッセンスを知ることができました。当科は世界標準の精神医療の実現を目指しており、視察で見てきたものの中でもアウトリーチ(病院から利用者さんのところへスタッフが出向いて医療を提供する)による治療を実践しています。これを通じて、より一層地域精神保健の大切さを学ぶことができたと考えています。
なにより、利用者さんの病気を診るだけでなくだけでなく、生活者として捉え、身近に感じながら診療できるので、仕事が毎日楽しくできました。
3.各サービスの概要
- 病院サービス
こころの医療センター;児童精神科を併設しこどもの外来ユニット、入院ユニットを備え、こどもからお年寄りまで一貫した精神医療を提供しています。また、救命救急センターでは一次から三次までの精神科救急に対応し、千葉県精神科救急システムの基幹病院としての役割も担っています。約3,000㎡の十分にアメニティーに配慮された救急入院料病棟42床を有し、多職種チームにより、救急からデイケア、作業療法センターにおけるリハビリテーションまで連続性のあるサービスを提供しています。そして身体疾患や副作用にも十分に対応できる精神科ICUや陽圧室を設け、一般身体科との連携のもと、クロザピンや修正型電気けいれん療法、各種の精神療法等を行い、治療抵抗性の精神疾患に対する治療も行なっています。 - 地域サービス
カナダ・バンクーバー、カンボジア、イタリア等との国際医療協力を通じて、積極的に地域移行を行ない、アウトリーチサービスやハウジングサービスを充実させています。また、定期的に他の精神保健福祉医療機関との会議を開き、地域連携を深めています。毎年、精神保健福祉医療の地位向上のためフォーラムを開催しています。 - スタッフ
常勤医師 10名(指定医5名・指導医5名 ) 初期研修医2名
看護師 43名(AKK含む)
精神保健福祉士 9名
臨床心理士 6名
精神科作業療法士 5名
ピアスタッフ 2名 - 診療データ(平成28年度)
外来 児童、心的外傷等専門外来を含む 180名/日 救急753名/年
病棟 精神科救急入院料 40床(児童ユニット13床含む)平均在院日数46.1日
退院患者のうち1年未満に退院した率 98.9%
クロザピン 76例 m-ECT 329例/年
訪問 9,617件/年(ACT、通常訪問を含む)
【精神科救急】
当科の入院病棟は精神科救急入院料病棟です。
当院で行える精神科救急の研修には以下のメリットがあります。
- 精神科救急の魅力
地域から日々生じてくる精神科治療のニーズに迅速に応え、様々な患者さんの治療にあたります。経験する症例数は豊富にあり濃密な経験を積むことができます。精神疾患のダイナミズムに直接触れるような経験を通じて、疾患に対する理解を深めることができます。また、急性期症状の混乱の真っ只中にいる患者さんとその家族の不安に寄り添うことは、たとえ精神科救急を専門とする予定のない方であっても、精神科医としてのキャリアの中で有意義な体験となることでしょう。
- 総合病院精神科ならではの安心感
器質性精神疾患(中枢神経感染症や膠原病等の身体疾患に由来する精神疾患)の患者さんや身体合併症を抱えた患者さんが入院することもあります。そのような場合でも当科は総合病院精神科であるので、診断や治療についてそれぞれ専門科の医師と連携をとって治療にあたることができます。入院後の検査で器質性精神疾患の診断が明らかになることは少なからずありますが、その場合も他院に転院することなく当院で治療を完結させることができます。
- 多職種との連携
患者さんのよりスムーズな社会復帰を目指して、当科では入院直後より多職種で診療チーム体制を組みます。医師、看護師だけでなく精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士も加わり、それぞれが専門知識と技能を出し合い、患者さんの治療を考えていきます。その結果、単に早期の退院を目指すのみならず、患者さんの今後の生活にとってより良いと思われる治療方針をオーダーメイドで検討していくことができます。
- 児童思春期入院治療スペース
児童専用のスペースを確保していますので、児童思春期年代の患者さんたちの集団力動も意識しながら入院治療に当たることが可能です。詳細については【児童精神科】の入院治療の項目を参照してください。
文責 小倉 浩史
【クロザピンによる薬物療法】
当院は、クロザリル患者モニタリングサービス(Clozaril Patient Monitoring Service; CPMS)の登録医療医機関です。治療抵抗性(反応性不良・耐容性不良)の統合失調症の患者さんにクロザピンによる薬物療法を行うことが可能です。このためCPMS登録医とともに診療に当たることでクロザピンによる治療経験を積むことができます。
なお、当院においてクロザピンによる治療をしているケースは2016年3月現在59名です。
【児童精神科】
神経精神科では児童精神科領域の外来診療も行っており、病棟の一部に児童専用のスペースを設けるなどして児童思春期の患者さんにも入院治療を受けやすい環境を提供しています。
- 児童精神科外来
- 児童グループ
- 児童思春期の入院治療。
- 他部署との連携
児童外来は、初診時の年齢で就学前ころから中学生の方を対象にしています。こころの不調は成人に限らず児童でもみられます。患者さんご本人の生物学的な部分による場合や、家庭や学校など生活環境・社会的な環境による場合、友人関係やストレス、考え方の癖など心理的な部分による場合などさまざまです。
精神疾患の早期発見・早期介入の一端にふれ、また若年発症の精神疾患を持つ方の治療や支援にかかわることができます。これらの経験により疾病の治療と支援に関する理解を深められ、児童思春期のみならず成人の患者さんへの対応する際にも参考となることでしょう。
多職種による児童外来のカンファレンスも週一回行っておりますので、各職種の役割を理解しまた意識して相補しながら支援診療にあたるという当院のチーム診療に参加経験していくことができます。
患者さんたちにとってはひとまずの居場所としても使っていただきながら、楽しみの場として、また仲間づくりや対人関係スキルの向上の機会として参加できる空間として児童OTグループを用意しています。スタッフは作業療法士を中心に臨床心理士や医師も加わり、孤立してしまいがちな患者さんたちに集団療法的にかかわり、入院された患者さんたちの場合には入院と外来をつなぐ場にもなるようにと意識しています。
このようなグループ活動に参加することで集団力動や児童思春期本来の心性、また発達障害を抱える児童の心性についての理解を深め、支援や介入の要点を具体的な経験を伴って知ることができるでしょう。
おまけとして、自分自身の特性について振り返らされる場合もあるかもしれません。
児童の入院患者さんがある程度増えると、個別対応のみならず集団の力を利用した治療効果が期待される場面がたびたび訪れるでしょう。
入院された児童への密な診療であるとともに、保護者・養育者への支援をいくらか余裕をもった状態で検討・調整する機会でもあります。必要な場合は多職種チームとの連携をとおして、家族や各種社会資源とも連携をもちつつ心理・社会・生物学的に考えながら診療していきましょう。
一般的な精神科研修に慣れ理解が深まってくると、児童とその保護者・養育者の双方に比較的余裕をもって対応しやすくなるでしょう。
当院は小児科のある総合病院ですので、当科からは子どもの身体疾患について相談しやすく、入院治療中に身体管理が必要な場合が生じても他科と連携を取りながら治療ができます。また同時に院内院外の小児科からも発達障害を含むメンタル面・行動面の問題について患者さんを紹介されるケースがしばしばあります。
虐待が疑われる場合、実際にある場合についても、院内の対策チーム(FAST)を介して各部署と連携を取りながら対応に当たるようにしていますので、そのようなケースについても安心して取り組めます。
文責 磯野 友厚
【アウトリーチ(訪問によるサービス提供)】
当院には充実したアウトリーチサービスがあり、研修を行えることが特色の1つです。
当院でのアウトリーチによる研修がどのような意味、メリットをもつか、経験から以下のことが言えます。
私は以前、慢性の統合失調症を患う夫婦が自宅で暮らしているところに訪問したことがあります。彼らは、症状はあるものの、自宅で好きな絵を何枚も書きながら暮らしておられ、笑顔で私たちを迎えてくれました。彼らは、ニーズに合った医療・福祉の様々なサービスを利用しているとのことでした。その光景は今でも印象に残っており、私の精神科医療に対するモチベーションを上げています。
本来、患者さんにとって病気というのは一部であり、その人らしさというものは病気ではない部分によるものが大きいです。アウトリーチの研修をすることで、このような当たり前のことに心から気がつかされます。つまり、病院では見られないような本人のもつ力に、地域で生活しているクライエントと接することで気が付き、むしろ支援者が驚き、癒されます。一歩病院を出てしまうとその人は単なる病人ではなく、一人の人間として生きているのです。
世界では地域医療に従事する精神科医は、症状をコントロールするための薬物療法や精神療法といった医療的な介入をするだけではなく、他の職種と同様に心理・社会面の問題についても理解し、それに合わせた内服薬の選択や、心理教育、家族療法にも力を注いでいます。そのことがクライエントのもつ力をより引出し、患者ではなく、一生活者として生きることを支援していくことにつながり、本人の人生に対する満足感も高まると思われます。
バンクーバーをモデルとして、そういった世界標準の精神科医療について学び、経験をもつ、医師やコメディカルが当院には多く所属しており、Assertive Community Treatment(ACT:包括的地域生活支援)をはじめとした新たな試みも行っています。アウトリーチでの研修では視野がひろがり、慢性的な精神疾患の治療についてより幅広いアプローチ方法を実体験し、その大切さを学ぶことができると言えます。
文責 藤井 和世
【リエゾン・コンサルテーション精神医学】
総合病院の様々な診療科に入院する患者の30%近くが何らかの精神症状を持っているという報告もあり、一般身体科入院中の患者様が精神症状を呈することも少なくありません。
また、精神科通院中の患者様が身体疾患で入院するということもあります。
当院は半径30km以内、診療圏人口100万人という広い診療圏を持つ地域中核病院としての役割を果たしており、身体科の専門領域も多岐に渡っており、身体科を通して介入するケースも多く、数多くのバラエティに富んだ症例を経験することが出来ます。
緩和ケア病棟もあることから、終末期の患者様への対応も行なっております。
当院精神科の特徴として多職種連携に力を入れており、リエゾン・コンサルテーション精神医学に関しても精神科医と他科担当医だけでなく、リエゾン専門ナースや臨床心理士など多職種で協力して対応に当たります。週1回の回診カンファレンスも行なっており、方針の確認や修正の相談も気軽に出来るので安心して症例に取り組めます。
【イタリアの精神保健システム視察】
2012年6月5日から6月15日にかけて、イタリアの精神保健システムを視察する目的で、イタリアのトリエステとトレントの2都市へ視察させていただきました。視察団の団長はジャーナリストの大熊一夫さんです。当科から主任部長青木勉先生と私の2名で参加しました。イタリアには精神病院、つまり単科の精神科入院施設がありません。
1960年代まではイタリアも日本と同様に精神疾患の治療は入院中心で行われていました。しかし1970年代にバザーリアという医師が「マニコミオ(イタリア語で精神病院を意味する)」で行われている治療に疑問を持ち、「自由こそ治療だ」という考えに基づき、地域中心の精神医療に変革を行いました。その結果マニコミオを無くすということになったのです。当然、病院を無くすというのは容易なことではなく、精神障がいのある人が地域で暮らす際に生じてくる暮らしにくさや、精神障がいに対する偏見を乗り越える工夫が必要だったようです。
実際に改革を取り組まれた政治家のザネッティ―さんから直接お話をお伺いし、その頃の苦労や希望ある変化について知ることもできました。とても印象的だった工夫の一つは、精神疾患を経験されている方が、たとえ重い精神障がいがあっても、芸術的・文化的な活動や仕事をして人々と交流し、自分らしく、自由と責任を持って、人との温かいつながりを持ちながら地域で暮らしている事でした。
実際に街には障がいを越えた交流の場が多くあり、哲学ラボやコーラスグループ等があり、精神障害のある人だけでなく、様々な人々が集まっていました。また、素敵なレストランで働く方々や生き生きとプロのような演劇をする方々の姿をみて感激しました。
文責 藤井 和世
【旭中央病院神経精神科での研修を終えて】
私は、臨床研修終了後、千葉大学医学部附属病院精神神経科で1年間研修をした後に旭中央病院神経精神科で引き続き後期研修をさせて頂きました。
当科では多彩な症例を経験できるだけでなく、一つの症例に対して様々なカンファレンスの場があり、一つの症例に対応してチームとして集中的に対応していく事が大きな特色であると思います。総合病院として精神科だけでなく多種の科の先生方と連携できる事もありますが、医師だけでなく、精神保健福祉士や心理士、作業療法士などの多職種との連携が密にとれる環境で医師以外の様々な視点からアドバイスを頂けました。2年間の研修を終えるころには困難な症例にも対応できるような能力が身につく場だと実感しました。
また、海外研修も積極的に行っており、私は地域精神医療で有名なイタリアのトリエステ、トレントに3週間ほど研修に行くことが出来、世界の精神科医療を肌で感じる事が出来たのも非常に大きな財産となりました。現在もまだまだ精神科医として修業中の身でありますが、ここでの研修が私の精神科医としての臨床での基礎を作ってくれたと思います。
私は大学の医局人事でありましたが、部長の青木先生をはじめとしてスタッフの皆様に親切にして頂き、非常に温かい環境で研修を行えました。旭中央病院神経精神科での研修を終えた後も交流を持たせて頂いており、精神科医として今後も生きていくうえで大きな財産を得られたように思えます。
旭中央病院での研修は、急性期から慢性期、地域精神医療と様々な時期やステージにおいての医療を行っており、私のように駆け出しの時はもちろんのこと、様々なタイプのキャリアを積むことが出来る場のように思います。
文責 宮澤惇宏(平成24年度~平成25年度後期研修医)
目的 | 精神科専門医を養成するコースである。 | |
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研修期間 | 1から3年 | |
研修過程 | 1年目 |
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2年目 |
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3年目 |
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- CP:臨床心理技術者
- IC:インフォームドコンセント
※FコードはICD-10による
- F0:器質性・症状性
- F1:精神作用物質性
- F2:統合失調症等
- F3:躁うつ病
- F4:神経症
- F6:パーソナリティ障害