Program臨床病理科 初期研修プログラム
研修期間 1ヶ月
ローテート期間中の初期研修医の一般目標
- 一般目標 : 病理診断の目的・内容・過程を理解する。
1ヶ月カリキュラム
- 到達レベル(行動目標)
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- 1) 病理診断の目的・内容・過程を理解し、病理診断の質を向上させるために、自分ができることを把握し、実践できる。
- 2) 何のために剖検を行うのか明確に説明できる。
- 3) 病理診断を実際に体験し、病理に関する生涯学習の基礎を形成する。
- 到達レベルにたどりつくために
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1ヶ月という研修期間は、極めて短い。したがって、研修者自身が、自身の病理研修の目的を明確にし、それを達成するためには具体的に何を・どのように・いつまでに実行すれば良いか、何をもって達成度を評価するか、考えて工夫することが、有効な研修のためには不可欠である。そのため、研修初日に自身の研修のエンドポイントを明確にしてもらい、Staffと相談の上、1ヶ月の研修計画を立てる。研修者自身の研修目標と、当科が研修医に習得して欲しいMinimum requirementsを共に達成できるようにStaffは支援する。
- 1) 病理診断の目的・内容・過程を理解するために:
- 1. 手術症例や剖検症例を通じて実際の病理診断の過程を体験し、「病理診断の目的・内容・過程」に関して資料を作成し、プレゼンテーションを行う。
- 2. 他科とのカンファレンス症例を受け持ち、Staffの指導のもと、病理所見のプレゼンテーションを行う。
この過程で、他科が病理に求めること、病理が他科に求めることを理解する。また、病理所見の基本的なプレゼンテーションの流れを理解し、今後に生かすことが望ましい。
- 2) 剖検の意義を理解するために:
- 1. 実際に剖検症例を一例受け持ち、臨床情報の確認と検討⇒肉眼所見の確認と切り出し⇒検鏡⇒所見のまとめと考察⇒症例提示(プレゼンテーション)を行う。
- 2. 経験を踏まえ、剖検の意義について考察し、論述する。
- 3) 病理に関する生涯学習の基礎を形成するために:
- 1. 実際の手術症例や剖検症例の診断を行うに際して、解決しなければいけない技術的課題・学習課題が山のように出てくる。それらを解決していく過程で、自ら学習した内容を記録し、まとめていく。問題解決を繰り返していく中で、病理に関する問題の立て方と解決方法を知り、研修終了後も自習を継続できる基礎的な能力を獲得する。当然のことながら、Staffは研修者の学習を支援する。
★ 研修者の学習記録は経験知の蓄積として、次の研修者にも開示し、また新たな経験知を追記していくことを予定する。
⇒ 「AGH Resident Manual of Surgical Pathology」の作成 - 2. 病理学に関連する文献を読み、内容を簡潔にプレゼンテーションする。病理学に関連する論文を読む際に注意すべき点を理解する。
- 1. 実際の手術症例や剖検症例の診断を行うに際して、解決しなければいけない技術的課題・学習課題が山のように出てくる。それらを解決していく過程で、自ら学習した内容を記録し、まとめていく。問題解決を繰り返していく中で、病理に関する問題の立て方と解決方法を知り、研修終了後も自習を継続できる基礎的な能力を獲得する。当然のことながら、Staffは研修者の学習を支援する。
- 1) 病理診断の目的・内容・過程を理解するために:
- 行動目標が到達できたかの確認
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- 1) 「病理診断の目的・内容・過程」及び「他科とのカンファレンス」のプレゼンテーションを評価する。
- 2) 「担当剖検症例」のプレゼンテーションと、「剖検の意義」についての論述を評価する。
- 3) 「学習記録」と「抄読会」の内容を評価する。
Duty
- 研修医は、授業料を払って勉強する医学生ではなく、病院から給与を受けて業務を行う職業人である。自己の行動に責任を持つ職業人として良識ある行動をすること。これが最大のDuty。
- 基本的に、当科が提示する上記の課題と、日常業務の一部(剖検、肉眼診断と切り出し、組織診断)を行う。土曜日は、Staffは業務を行うが、初期研修医の出勤は義務ではない。課題及び自分の研修目標の達成に責任をもてるのであれば休んで構わない。
- 各課題の他に、研修医自身が将来の方向性も踏まえて専門的な内容を経験したいという場合は、個別に申し出ること。柔軟に対応する。
- 能力的に課題の達成が困難であれば遠慮なく申し出ること。
休暇
当直明け | 他科同様日勤帯は休養にあてること。ただし事前に連絡をすること。 |
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週末 | 「Duty」の項参照。 |
休暇 | 病院規定の比較的長期の休暇は、研修開始前に部長に相談すること。 |